ラオスと中国を結ぶ鉄道計画はリスクを抱えながらも続行
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総額70億米ドルをかけてラオスと中国を結ぶ高速鉄道計画が2010年に立ちあげられたが、このプロジェクトには様々な問題があるため、プロジェクトの見直しおよび中止を求める声が挙がっていた。しかしラオス政府は、この鉄道建設計画の基本方針は変更せずに建設を続行する方針であることを、地元メディアは報じた。
この高速鉄道は、ラオスの首都ヴィエンチャンからラオス北部のルアンナムター郡を通り、ラオスと中国の国境の町であるボーテンを結ぶ約417Kmにもわたる長距離な高速鉄道である。ラオス政府と中国政府は、2010年4月に最初の覚書を締結しており、現在に至るまで建設開始に向けて様々な調整を進めていた。
しかしながら、高速鉄道を建設する際の費用の見積もりが甘い、投資した資金を回収するための期間が不透明、中国から借り入れる資金の返済条件が悪い、鉄道の沿線に住む住民への補償がないなどの様々な問題が指摘されていた。ラオス政府も、鉄道に乗る乗客数の見込みが甘く乗客数や資金回収期間が確定出来ないこと等の問題は認めているが、計画を続行することとなった。なお、ラオス政府は以下のメリットを挙げている。
・アセアン経済共同体(AEC)が設立されることにより人の移動が増加されるため乗客数は増加する
・国内の人々の移動の脚となり、生活が改善する
・国際市場へラオス産製品を輸出する事が容易になる
一部の市民団体などからは、今回の計画続行の声明に対して再度の建設中止・見直しを求める声を挙げているが、ラオス政府はリスクはあるものの鉄道建設を実施する事によるメリットの方が大きいと判断しているため、計画は続行されることとなりそうである。