EUはラオスにおける木材の違法伐採防止を共同で実施
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ラオスでは国土の大部分を山岳部が占めることから豊かな森林資源に恵まれており、木材および木材加工品の輸出は国の重要産業である。このラオスで木材の違法伐採が多発しているため、ラオスから木材・木材加工品の輸入を行っているEUはラオスと共同で、木材の違法伐採の防止および取引禁止を行うことを発表した。
ラオスでは1人当たりGDPが1,593ドルと低く(ASEAN地域において7番目)貧困層が多いが、農村の貧困層にとってはこの森林資源のおかげで山菜や小動物が採取することが可能となり、これらを消費・販売することにより生活を支えている。しかしながら、これらの森林の所有権・利用権が明確とされていない場合が多く、現地の村人の許可なく違法に伐採された結果、森林環境が破壊され、現地の人々の生活に影響を与えているケースが近年では多発している。
この発表によると、EUとラオスは自主連携協定を締結することにより、違法に採取された木材・木材加工品の輸入を厳格に禁止し、根本的な原因である森林の違法伐採を防止するための支援を実施する。輸出入時に禁止するだけでは、違法伐採された木材かどうかの判断がつかないためである。例えば、ラオスで違法伐採された木材を中国・ベトナム・カンボジアなどの近隣諸国に輸出し、他国でテーブルやイスなどの木材加工品とされた場合には、第三者からは違法かどうかの判断がつかないためである。特に木材加工品の輸出先には先進国が占めるため、先進国側からこの様な保護策を積極的に実施する必要がある。
EUでは、同様の自主連携協定をアジア地域において締結しており、ベトナム・タイなどとは既に締結している。今後はカンボジア・ミャンマー・フィリピンなどにおいて、同様の自主連携協定を締結することを表明している。