静かに時が流れている国、ラオス【コラム】

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先日、15年振りにラオス国のビエンチャン市を訪れてきました。

久しぶりのビエンチャンでしたがほとんど変わっていない全体的な印象でした。近隣のカンボジアやベトナムが大きく変貌を遂げている中で、ラオスは独自の道を歩んでいました。木と水の国、ラオスは日本の本州とほぼ同じ面積で人口は650万人ほどです。主食はお米で、もち米を主に食べています。日本からは100社ほど進出をされているようです。昨年、米国のオバマ大統領が宿泊をされたというLAND MARK Hotelを見学させてもらいましたが、大きな木製の観音様や象が玄関で出迎えてくれました。ちなみにこのホテルは六ツ星ホテルです。

ビエンチャンに40年暮らす日本人の方とご一緒に夕食を楽しんできましたが、84歳というご高齢にも関わらずお元気で過ごされていました。2年前に甲状腺がんを患ったとお話をされていましたが、野菜を主に食べる独自の食事療法で現在は完治されたとの事です。誠に恐れ入ってしまいます。お酒を昔からお飲みにならないとの事で、こちらは楽しみにしていたビア・ラオ(ラオスのビール)を遠慮しながらゴックンさせていただきました。相変わらず味が濃い目の美味しいビールでした。

今回の旅の目的はラオスでの手織り産業の調査でしたが、小さな手織り工場が市内にいくつかあり、そこでは手織りの作業の様子を見学させてくれていました。工場の隣はショップになっていて手織りのスカーフや小物が販売されています。手織りの作業はとても長時間にわたりますので、本当であればそれに相応しい収入が手織りをされた方に渡されるべきなのですが、現在は少しだけの収入となっています。そのため手織りの技術を習得しようとする若い人は年々少なくなっているようです。日本の女性の方が職業訓練所で手織りの技術を伝承するための活動をされていますが、何かお力になれないものかと考えています。

木と水の国、ラオス。そして欧米人の憧れの国、ラオス。作家の村上春樹さんが投げかけてくれた「ラオスにいったい何があるというんですか?」という問いに私は少し答えることができるかな?と今は思っています。

84歳の日本人の方にもう一度会いたいと思う気持ちが少し膨らんできたようです。

【著者プロフィール】
三浦純一 66歳
フォーバル・ベトナムのシニアアドバイザーとして2年。主にホーチミンでの現地法人立上げ、工業団地進出支援。
サイエスト株式会社 海外進出支援サービス 「グローバル顧問」所属http://www.globalkomon.com