インドネシアは南シナ海問題解決のため主導する事を表明
インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、南シナ海問題で揺れているASEAN内をインドネシアが主導してまとめ平和的な方法により解決させる方針である事を、インドネシア独立記念日前の16日に演説で明らかにした。
中国政府はベトナム政府とフィリピン政府の了承を得ない強硬的な開発を南シナ海において進めており、フィリピン政府はこの問題をオランダのハーグ仲裁裁判所に提訴していた。ハーグ仲裁裁判所は中国政府の主権を否定する判決を下したが、中国政府はこの判決に従わないことを表明しており、現在も南シナ海において強硬的な開発を進めている。
ベトナム政府とフィリピン政府は、仲裁裁判所の判決に従わない中国に対抗するためにはASEAN全体で対抗すべきであるとして他のアセアン加盟国に呼びかけ、今までは中立であったインドネシア政府やシンガポール政府もこの呼びかけに同意した。しかしながら、親中派であるカンボジアとラオスの反対により、ASEAN全体で中国政府を批判する声明を発表する事は出来なかった。そのためASEANが内部崩壊するのではとの不安の声も挙がっていたが、これらの不安を払拭させるためにも、ジョコ・ウィドド大統領は主導をとりこの問題を解決していく事を表明した。
インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は16日の演説の際に、南シナ海問題は仲裁裁判所の判決が出された事もあり平和的に解決されるべきであり、インドネシア政府はこの問題に積極的に関与していく方針である事が述べられた。また、インドネシア外務大臣もジョコ大統領と同様の見解を表明した。
インドネシア政府は、バンドンと首都ジャカルタを結ぶ高速鉄道計画を中国政府が受注した事もあり、南シナ海問題においては当初は中立を宣言していた。しかしながら、その後は世論の影響もあり、中国を批判する立場を取り始めている。自国領土のナトゥナ諸島においては、中国漁船が警告に従い退去しなかったために強硬的に拿捕するなどの対応を実施している。