日本はインドネシアの生物資源多様性を利用した新規薬剤開発を支援
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インドネシアでは、マラリアやアメーバ赤痢などの原虫感染症が人々に甚大な健康被害をもたらしており、これらの感染症に対して安価で有効性が高い新薬を開発することが急務となっているため、日本政府はこれらの新薬開発を支援するプロジェクトを実施している。
インドネシアでは、経済成長と人口増加に伴い保険医療に対する予算は増加しているが、先進国と比べた場合には配分している予算割合は低いままである。インドネシア国内では、マラリアやアメーバ赤痢等の原虫感染症に感染する人が多く、安価で有効性と安全性の高い新規薬剤の開発が急務となっていたために、日本政府は支援を実施することとなった。
この支援プロジェクトは「インドネシアの生物資源多様性を利用した抗マラリア・抗アメーバ新規薬剤リード化合物の探索プロジェクト(Project for Searching Lead Compounds of Anti-malarial and Anti-amebic Agents by Utilizing Diversity of Indonesian Bio-resources)」として、2015年4月1日から2020年3月31日の期間にわたって支援することで両国は2015年2月17日に合意していた。インドネシアでは、多数の赤道にまたがる大小の島により構成される国であり生物資源に富む国家であるため、この多様性を活用した研究を日本の研究機関と共同で実施している。具体的には、微生物や植物などから抗マラリア活性・抗アメーバ活性を有する物質の成分を見極めたり、インドネシア国内の研究機関の生物資源を用いた創薬に資する技術・体制の確立を支援している。