インドネシアのビザ免除が進まず、他国から不満の声が挙がる
インドネシア政府は昨年の11月に、日本を含む5ヶ国(中国、韓国、ロシア、オーストラリア)を対象として観光ビザ(Visa on Arrival / VOA)の廃止を2015年の初旬を目標として実施する方針であることを表明したが、現状ではまだビザ無料化が行われていない状況である。この状況に、ビザ手数料の無料化を想定してインドネシアへ訪問したロシアなどの観光客からは、手数料を徴収されたことにより多数の不満の声が挙がっている状況である。
昨年の11月の公式発表の後にビザ無料化の対象国は拡大され、チリ、香港、マカオ、モロッコ、ペルー、エクアドルおよび欧州の国などが加えられ、合計30カ国となり対象国は増加する一方であるが、ビザ無料化は相変わらず進んでいない状況である。インドネシアの現地メディアでは、日本のみ先行して1月の時点からビザ無料化を実施するなどの複数の報道がされていたが、報道された内容が実施されたことはなく、混乱を生む原因となっている。当編集部も先月末の時点に、ビザ無料化の時期について問合せをしたが、まだ回答は得られていない状況である。
特にロシアではこのビザ無料化が実施されないことによる不満の声が多数挙がっている。ロシアではインドネシアへの観光を好む人が多かったこともあり、このビザ無料化を歓迎しインドネシアへ多数の観光客が訪問したが、現地で手数料を徴収されたことにより落胆の声を挙げていた。そのため「もうインドネシアへはいかない」などの声を挙げる人も多く、この不満を自国のロシア政府へぶつける人が多発している。ロシア政府はこれらの人達への説明として「ロシアとしては積極的にビザ無料化を進めたいが、ビザ無料化は自国の事情のみで単純に進める事が出来るわけでなく相手国側の事情が重要であり、早期実現に向けてロシア側は調整を進めている」との旨の理解を求める声明を発表している。
日本政府もインドネシア政府へビザ無料化を進める依頼をしており、3月9日にインドネシアの副大統領と日本国大使が会談を実施した際には、観光ビザ免除を早期実現するよう依頼をしているが、明確な回答は得られていない。現地のメディアは、4月末にはビザ免除が実施されると報じているが、インドネシア政府の正式発表できないことからも信頼性は低く、観光ビザ免除が実現される時期は不透明である。
※2015/06/12追記
日本政府は、ビザ免除状況をインドネシア政府に再度確認した結果を報告しました。
詳細は以下のニュースを参照下さい。
インドネシアのビザ免除(ビザ無料)は最終段階