麻生大臣がインドネシアのIMF・世界銀行年次総会で演説
インドネシアのバリで「第73回IMF・世界銀行年次総会」が開催され、日本の麻生財務大臣も参加し演説を実施した。
麻生財務大臣は演説の冒頭で「国際的な金融資本市場がタイト化する中で、新興国に対する資本フローの反転が生じています。世界経済全体へ波及するほどの悪影響は未だ見られませんが、我々は警戒レベルを高め、必要に応じて迅速に国際社会による支援を実施する必要があります。保護主義的な措置による内向きの政策は、どの国の利益にもなりません。自由で公正なルールに基づく貿易を通じて世界経済の成長を高めていくことが重要であり、二国間の枠組みではなく多国間の枠組みで解決策を追求していく必要があります。」との旨を述べた。
世銀グループに対する期待として、質の高いインフラ投資に関しては「民間投資の更なる動員に繋がるという観点だけでなく、インフラの持つ物理的な価値を超えて、自律的な経済成長に貢献するという観点から推進すべき課題です。質の高いインフラ投資の重要性は広く共有されているところですが、次に考えるべきは、何が質の高いインフラであるかを明らかにするとともに、質の高いインフラ投資に係る考え方をアップグレードし、それを実際の業務運営に反映させていくことだと考えます。これらの議論を進めるにあたり、これまでの業務経験や知見に基づく世銀グループからの貢献を期待します。」との旨を述べた。
防災に関しては「世銀グループが引き続き防災の主流化、とりわけ自然災害に対して強靭なインフラ整備の取組みを強化していくことを期待します。また、世銀が技術支援を提供する東南アジア災害リスク保険ファシリティに関して、その最初の成果であるラオス・ミャンマー向けの地域災害リスク保険が早期に稼働すること、他のASEAN+3メンバー国がSEADRIFに参加することを期待します。」との旨を述べた。