カンボジアは台湾人を中国に送還、親中姿勢を強める
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カンボジア政府は、詐欺事件に関与した台湾人を中国政府の要求により、台湾ではなく中国に送還する事を発表した。また、カンボジアのフンセン首相は、南シナ海問題はASEAN全体の問題ではなく個別の国毎で話し合うべきものであるとの認識を示した。
カンボジア政府の発表によると、カンボジア警察は台湾人の集団を詐欺容疑により逮捕していた。台湾政府は、自国民を自国で裁くために引き渡しを求めていたが、中国政府は被害にあった人物に中国人がいた等の理由により、中国政府へ引き渡しを求めていた。カンボジア政府は中国政府からの要望を受けて、逮捕した台湾人を中国政府に引き渡す事を決定した。
中国外務省は、このカンボジア政府の対応を受けて「カンボジア政府が、逮捕した台湾人を中国政府へ引き渡すという対応をした事は、中国政府の一つの中国政策に基づくものであり、称賛されるべきものであります。」との見解を示した。
カンボジアのフンセン首相は、地元メディアからの取材に答える形で「南シナ海問題は平和的に解決されるべきものです。しかしながら、この問題はASEAN全体の問題ではなく紛争が発生している国同士で話し合うべきものであると考えます。」との見解も示していた。
カンボジア政府は、中国政府から多額の経済援助を受けている事もあり、親中の姿勢を強めている。先日に実施された中国・ASEAN外相会談の際にも、ASEAN全体で中国批判を行う声明を発表しようとした際にも、カンボジア政府は反対しており、今後も親中の姿勢を強めていくとみられている。