ケリー国務長官はラオスとカンボジアの文化に感銘を受ける

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アメリカのケリー国務長官は24日にラオス、25日にカンボジアに訪問し、それぞれの国の首相および政府高官との会談を実施したが、その際に両国の文化施設の見学を行い、両国の文化に感銘を受けていた。

ラオス政府との会談においては、アメリカ軍がベトナム戦争時に大量に投下し放棄していた不発弾の除去を全面的かつ早急に解決することを目的として、大規模支援を行うことを約束した。アメリカ軍がラオスの地域に投下した爆弾は200万トン以上と推定されているが、このうちの3割以上は不発弾となっているとみられており、現在もどの程度の不発弾が眠っているかは不明な状況のままであった。以前からもアメリカ政府は不発弾除去の支援を実施していたが、他国で実施している支援に比べて大幅に支援額が低く、現在の除去のペースでは、完全に除去される時期がいつになるのかが不明であり、ラオスの経済成長を阻害する要因のひとつともなっていたことから、支援を拡大させることとなった。オバマ大統領がアメリカの大統領として初めてとなるラオス訪問を今年の秋頃に行うことについても話し合われた。


カンボジア政府との会談では、現在の政権がクメール・ルージュなどの問題を乗り越えて、経済発展に貢献したことには理解を示しつつも、カンボジア国内における政治・人権状況には改善する必要があることを述べた。近年のカンボジアでは野党への迫害状況が年々強まっており、一部の議員は海外へ逃亡する事態が発生していることから、アメリカ政府はこれらの迫害を止めて、公正で自由な政治活動を認めるように要求した。これらの自由を認めた際には、アメリカ政府はカンボジアにおける経済発展のみならず、安全保障・健康分野などの様々な分野における支援を行う用意があることが述べられた。

ケリー国務長官が両国に訪問した際には、ラオスではタート・ルアン(Pha That Luang)、カンボジアではカンボジア国立博物館(National Museum of Cambodia)などの文化遺産を見学し、それぞれの文化に感銘を受けていた。特にカンボジアでは政府高官との会談の際にも、文化遺産に言及するほどであった。