カンボジアで絶滅危惧種指定の象を発見、保護基金を設立

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アメリカの自然保護団体のConservation International(コンサベーション・インターナショナル)は、カンボジアで絶滅危惧種に指定されていた象(アジアゾウ)を発見し、撮影に成功したことを1月14日に発表した。

カンボジアでは経済成長に伴い、水力発電所や農地開拓などの開発が実施されたことなどの理由により自然が破壊されており、原生林を生息地とする野生動物の数が激減しており、特に象(アジアゾウ)の生息数が激減していたため、絶滅危惧種に指定されていた。近年ではこの象の姿が確認できない状況となっていたが、このアメリカの自然保護団体は14年間にわたり森林保護のための支援をカンボジア政府と協力の元に実施しており、この支援の成果もあり、絶滅危惧種に指定されていた象の撮影に成功することとなった。

絶滅危惧種に指定されていた象を発見した地域は、カンボジアにおける最大級の自然貯水池が存在する南西部のカルダモン山脈となり、若い個体を含む12頭の群れで森の中を移動する姿が確認出来た。この地域には、象以外にも複数の絶滅危惧種が生息している。

Conservation Internationalでは、今回の象の発見に伴い森林の更なる保護活動が必要と判断したために、中央カルダモン森林保護(CCPF)の保全信託基金の創設を発表した。この自然保護団体では1987年の設立時から世界各地の自然保護活動を実施しているが、今後もカンボジアの自然保護活動に協力していく方針であることを表明している。