日本・カンボジア首脳会談、南シナ海問題は当事者で解決すべしとの認識

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安倍内閣総理大臣は、アセアン関連首脳会議の場にてカンボジア王国のフン・セン首相と、日本・カンボジア首脳会談を実施したことを外務省は発表した。

今回の会談では、両者が今年に入り正式な会談を実施したのは3回目となり、会ったのは今年だけで5回目となることを踏まえて、両国間の関係は順調に深まっていることからも、今後も両国間の関係を強化していく事で合意した。また、会談では南シナ海の領有権問題・カンボジア国内の政治情勢・経済協力などに関しても話し合われた。

南シナ海の領有権問題に関しては、カンボジア政府も重大な関心を有していることが説明され、法に基づき平和的に解決されるべきであるとの認識が示された。また、地域全体の話し合いも必要であるが、それ以上に当事者間での対話が重要だと考えている旨が説明された。他のアセアンの国からは、当事者だけの話し合いではなく、地域全体で話し合う事の方が重要であるという認識が示されていることからも、カンボジア政府からは異なった見解が示された。カンボジアは中国から多額の支援を受けていることもあり、表立って中国政府の批判を行うことを避けているためとみられる。

近年のカンボジア国内における政治情勢が緊張を高めていることに関しては、日本政府はカンボジアの次回選挙に向けて、与党・野党の双方が非暴力に徹して平和的に和解することを希望する旨が伝えられた。カンボジア政府としても、これ以上の国内情勢の悪化は望ましくないと認識しており、与野党間の対話を継続していく旨の説明が行われた。