ブルネイはハラル産業の育成を強化
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国教がイスラム教のブルネイでは、多量のハラル(HALAL:ハラールとも呼ぶ)食品が消費されている。現状では、このハラル食品の大多数をマレーシア・インドネシアなどの海外からの輸入に頼っているが、このハラル食品を自国で生産しハラル食品の自給率を向上させ、ゆくゆくは海外へハラル食品を輸出させようという動きが出始めている。
ブルネイでは、豊富な天然資源の輸出に潤沢な利益が出ているため、食料品を自国で生産するよりも輸入した方が安価となるため輸入に頼っている状況である。先日のニュース(ブルネイではコメの自給率が4%となる)でも報じているが、ブルネイ政府は第一次資源産業省などを中心として米の自給率を向上させるための施策を実施しているが、同様に国内におけるハラル食品の自給率を向上させていく動きを促進している。
ブルネイではハラル認証を政府機関の宗教省が厳格に行っているために、他のイスラム国からみた場合には、ブルネイのハラル認証は信頼性が高いとみられている。この信頼性を生かす事により、既に海外展開を実施しているマレーシアやインドネシアなどの国のハラル認証の食品との競争にも負けないとみられている。
具体的な施策としては、国内におけるハラル食品の食品製造工場の設立にとどまらず、マレーシアやインドネシアなどの国に投資を行う事も視野にいれている。マレーシア・インドネシアでは、農業・漁業の開発が行われていない地域が多数存在するため、これらの地域に投資を行うことによりブルネイ国内で生産するよりも低コストでハラル食品の製造が可能となるためである。
将来的に必ず訪れる天然資源の枯渇に備えてブルネイでは、国の主要産業を積極的に育成しており、このハラル食品の輸出もこの施策の一環として実施されている。