裕福なブルネイでは働かない若者が増える
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ブルネイでは、豊富な石油や天然ガスなどの天然資源の輸出で得た利益を国民に還元する形で、個人所得税・医療費・教育費などが基本的に無料であり、老後においては年金が付与されるなど政府は国民の生活を手厚くサポートしている。このサポートの弊害として、働かなくても生活がある程度は可能となるため、近年では失業者が増加しており、この失業者が14,267人となったことをブルネイ経済企画・開発省が発表したことを地元メディアが報じた。ブルネイの人口は約41万人であるため、失業率は約3.4%となる見込みである。
この失業者の定義は、18歳から59歳の人で職についておらず積極的に仕事を求めている人を対象としている。この失業者のうち半数以上の54%が20歳から29歳の若者で占めている。性別でみた場合には、男性が45%であり、女性は55%である。また、失業者の65%は都市部のブルネイ・ムアラ地区に在住している。
このブルネイにおける失業の状況は他のアセアンの国とは大きく異なっている。他国では求人が少ない、もしくは無いために失業となるが、ブルネイでは求人は多数あり、特に低収入の仕事は近隣のフィリピンやマレーシアなどからの出稼ぎの外国人労働者がこれらの仕事に就いている。自国民による犯罪率は非常に低いが、近年ではこれらの外国人労働者が犯罪を起こす事件が発生しており、社会問題となっている。
ブルネイ政府は、若者達に就労するための促進活動を実施しているが、実を結んでいない状況である。また、学校を中退した若者達が社会から隔離された状況にならないように、社会と触れ合うためのボランティア活動の斡旋・支援を青年スポーツ省などが実施している。