オーストラリアは南シナ海航行の自由作戦から離脱、フィリピン和解も影響

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オーストラリア政府は南シナ海の航行の自由作戦に参加していたが、フィリピン政府が中国政府と南シナ海問題を和解する可能性が高くなってきた事等の理由により、航行の自由作戦からオーストラリア政府が離脱する事となった。

オーストラリア政府では、アメリカ政府などからの要請を受けて、昨年の12月に南シナ海における航行の自由作戦に参加する事を発表していた。中国政府はこのオーストラリア政府の対応を強く批判し、紛争当事者でないオーストラリア政府は介入しないように強く要請したが、オーストラリア政府はこの要請を拒否し、アメリカ軍などと協調の下で南シナ海における航行の自由作戦を実施した。また、紛争当事者であるマレーシア政府からの要請を受けて、中国政府への対応を協議する場も設けられていた。

オランダのハーグ仲裁裁判所が7月に南シナ海における中国の主権を否定する判決を下した際には、オーストラリア政府高官などからは中国政府はこの判決に従うべきであるとの発言が行われ、南シナ海における航行の自由作戦は継続されていた。

この現状に対して中国国防省は、オーストラリア政府に抗議するため中国に訪問したオーストラリア国防軍司令官の空軍大将に対して南シナ海問題に関しては慎重な言動を行うように要請し、中国政府はオーストラリア政府との友好的な軍事関係を構築したいために今後は言葉と行動を一致させるように強く要請した事を12日に発表した。

これらの中国政府からの要請を受けてオーストラリア政府は方針を変更し、南シナ海における航行の自由作戦に参加せずパトロールなども実施しない方針となった事をオーストラリアの現地メディアが報じた。この方針変更は、中国国防省から警告を12日に受けた事に伴い、中国政府をこれ以上刺激すべきではないとオーストラリア政府が判断したためである。また、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が南シナ海問題で中国と和解する可能性がある事も影響している。フィリピン政府が中国政府と和解してしまった場合には、航行の自由作戦を行う理由のひとつが無くなってしまうために、これ以上中国政府の怒りをかってまでするべきではないと判断したためである。