ベトナム・フィリピン首脳会談、ドゥテルテ大統領の失言は無し
ベトナム政府は、ベトナムに訪問中のフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領とベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席が、ベトナム・フィリピン首脳会談(越比首脳会談)を実施した事を発表した。
この会談で両者は、ベトナムとフィリピンの今までの友好関係に感謝を述べるとともに、現在の戦略的パートナーシップの関係を更に深めていき、今後はハイレベル交流も促進していく事で同意した。今までの交流において、防衛・文化・人的交流の分野における関係が深まっている事にも触れ、海洋分野における協力も更に進めていく事にも同意した。
経済協力に関しては、両国間の貿易取り扱い額が年々増加し昨年は約3億ドルとなった事も話題にあがり、今後も両国間の経済関係を深めていく事で同意した。また、フィリピンの投資家がベトナムに投資している現状を歓迎するとともに、両国間の投資環境を改善していく事にも同意した。クアン国家主席からは、農業・食品加工・観光分野におけるフィリピンからの更なる投資が行われる事を期待している旨が述べられた。
南シナ海問題に関しては、中国政府に対抗するために2カ国は共同で対応していく事に同意した。ベトナム政府とフィリピン政府は、南シナ海地域の安全と平和を維持していくために、ハイレベルでの防衛協力を行い、国際法に基づいた平和的な解決を目指す事で同意した。
アセアン共同体に関しては、両政府は共同でアセアンの更なる融合を目指していく事で同意した。2017年のASEAN議長国はフィリピンが担当するため、ベトナム政府はフィリピン政府を全面的に支援していく事で同意した。APECなどの国際会議の場においても、両政府は共同で対応していく事にも同意した。
ドゥテルテ大統領はクアン国家主席へフィリピン訪問を要請し、クアン国家主席はこの要請に応じ、後日正式に訪問する事を約束した。なお、恒例行事となりつつあるドゥテルテ大統領の失言は、今回の会談においては発生していなかった。