ケニアは南シナ海問題で中国支持を表明、日本のアフリカ支援による想いは届かず

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中国外務省は、ケニア政府は南シナ海問題で中国政府を支持する声明を発表しており、日本政府はケニアやアフリカへ自国の要望を押し付ける事をやめるべきである、との見解を述べた。

中国外務省で実施された9月1日の定例記者会見の際に、記者から「ケニア外務省は、南シナ海問題で中国政府への支持を8月31日付けで再度表明しました。ケニア政府のこの発表は、日本政府と発表した日・ケニア共同声明やナイロビ宣言と異なるものとなります。外務省の見解を聞かせて下さい。」との質問が行われた。この質問に対して外務省の報道官は「ケニア政府は南シナ海問題において、中国政府の立場を支持する声明を発表してくれました。日本政府側が発表した日・ケニア共同声明は、日本政府が一方的に押し付けた声明ではないのでしょうか。日本政府は自国のみの利益を得るために、アフリカ諸国へ自国の要望を押し付けています。これは不適切で失礼であり、アフリカ諸国からの信頼は決して得られないでしょう。」と見解を述べた。

日本政府は「第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)」をアフリカのケニアで開催しており、アフリカへの基本インフラ整備の支援を行う事を約束し、この会議の成果文書として「ナイロビ宣言」を採択していた。この文書の中の海洋安全保障の個所には、【国際連合条約(UNCLOS)に反映された国際法の原則に基づく、ルールを基礎とした海洋秩序を維持することの重要性を強調する】との記載があり、南シナ海で不当な開発を進める中国政府を念頭におき記載された内容であった。

日本政府はケニア政府とも個別に会談を実施し、日・ケニア共同声明では【安倍総理から東シナ海・南シナ海についての日本の立場を説明。ケニヤッタ大統領は海洋安全保障についての日本の立場を尊重。国連海洋法条約・国際法に基づく海洋秩序や、航行及び上空飛行の自由、紛争の平和的解決の重要性を確認。】と明記されていた。しかしながら、ケニア外務省は8月31日付けで中国政府を支持する声明を正式に発表している。そのため、日本政府の想いは届かない形となってしまった。