中国は南シナ海問題でEUの取込みへ

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中国外務省は、中国の王毅外相とミロスラフ・ライチャーク・スロバキア共和国副首相兼外務・欧州問題大臣がラオスの首都ビエンチャンで会談を実施した事を発表した。

王毅外相はライチャーク氏に、今月13日に閉幕されたEU・中国首脳会議が実りある成果を出し無事に実施された事に対しての喜びを伝え、中国政府は今後もEUとwin-winの関係を構築出来るよう努力を惜しまない事を伝えた。南シナ海問題においては、中国・ASEAN外相会談などにおいて、中国とASEANは南シナ海の紛争を協力して問題を解決していく事に合意しており、今後は協議と対話で確実に解決していく方針である事が述べられた。また、EUとはテロ対策と気候変動対策なども協力していきたい旨が述べられた。

ライチャーク氏は王毅外相に対して、EUは中国政府との友好的な関係を強化していく方針である事が伝えられた。また、南シナ海問題の解決のためには、EUは建設的な役割を果たしていく方針である事が伝えられた。

今月初旬に開催されたEU・中国首脳会議では、EU首脳会議のトゥスク常任議長などからは、南シナ海問題に関しては仲裁裁判所の判決に従うように要請されたが、中国政府はこれを拒否していた。トゥスク常任議長以外からも仲裁裁判所の判決に従うように要請されているため、中国政府はEU要人との個別の会談を繰り返して、中国政府の見解をEUに浸透させ、EU全体からの中国批判を抑え込む狙いがあるとみられている。