中国は南沙諸島に観光クルーズ船を就航、実効支配をアピールか

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中国の海南省は南シナ海のスプラトリー諸島(南沙諸島)において定期的な観光クルーズ船の就航を予定しているが、中国外務省は政府は民間企業の活動に関与していない、と政府としての見解を述べる事を避けた。

南シナ海のスプラトリー諸島は他国も領有権を主張している地域であり、中国政府は他国からの了承を得ずに埋め立てによる人工島の建設と軍事拠点化を進めている。この拠点では、軍事機の離発着も確認されており、軍事施設化が着実に進んでいる状況である。

このスプラトリー諸島に対して、海南省が中心となり定期的な観光クルーズ船の就航を計画している事を中国国営メディアなどが報じた。海南省は中国の観光産業の成長のために、スプラトリー諸島を有効活用すべきであるとしている。中国政府では、この定期的な観光クルーズ船の就航を行い、この地域を実効的に支配している事を対外的にアピールする事が狙いとみられている。

中国外務省で22日に開催された定例記者会見の際に、記者から「スプラトリー諸島への観光クルーズ船の就航が行われた際には、南シナ海における緊張が高まるのではないか。」との旨の質問を行われた際に、外務省の報道官は「私自身は具体的な内容を把握しておりません。この観光プランは海南省で開発されている事は知っています。政府としては民間の観光活動の内容を把握する必要は感じておりません。」との旨の見解を述べた。