インドネシア、シンガポール、マレーシアで楽天マーケットプレイスが閉鎖
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ネットショッピングなどの複数のインターネットサービスを提供している楽天株式会社は、東南アジアにおける一部地域(インドネシア、シンガポール、マレーシア)のマーケットプレイスを閉鎖する方針であることを発表した。
楽天は、12日に発表した2015年決算において、国内最高の流通額が2兆6748億円と過去最高だったことを発表した。現状では国内トップの座を維持しているが、純粋な売上高の伸び率は鈍化しており、純利益は前期から大きく減少している。楽天では、2020年までに売上収益を1兆7000億円、営業利益を3000億円とする中期経営戦略「Vision 2020」を発表しており、持続的成長に向けた3つの指針として「Strong」「Smart」「Speed」を挙げた。この指針に基づき、高収益性を目指すことなどの理由により、収益性が良くない一部地域において、マーケットプレイスの閉鎖が実施されることとなった。
楽天では、この東南アジアの一部地域からの完全な事業撤退は行わずに、他のサービス(楽天トラベル、Viber、koboなど)は継続して実施していき、今後は従来の企業間の取引のB2Bのビジネスモデルから、消費者同士の取引のC2Cビジネスモデルに注力していき、C2Cモバイルアプリ(Rakuma)により事業展開を実施していく方針とみられている。しかしながら、東南アジア地域におけるC2Cモデルのビジネスアプリは、既に他の事業者が実施し浸透しており、現時点からの参入は遅いとみられている。また、C2Cのビジネスに対する法規制などが十分に整備されていない国もあり、利用者同士のトラブルも多発しているのが現状である。