中国は南シナ海で珊瑚の密漁を進める、フィリピン・ベトナムは反発

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BBCの取材チームが南シナ海で中国の漁船がサンゴ礁(珊瑚礁)を破壊したうえで密漁をしていることを報じたが、中国の外務省の洪磊報道官は12月16日の定例記者会見において、「中国政府には南シナ海の領有権があるため、この珊瑚礁の漁は密漁ではない。また、中国政府は生態系の保護には注意を払っているため、これらの報道は間違っている。」との旨の見解を述べた。

中国政府と南シナ海の領有権問題で争っているフィリピン政府とベトナム政府などからは、中国の漁船が南シナ海で珊瑚礁を破壊し生態系を乱している疑いがあると以前から述べていたが、BBCの取材チームが実施に密漁の現場を確認したうえで、海中に潜り生態系が破壊されている現場を確認し映像に残している。この映像では、豊かな珊瑚礁で守られていた生態系が、乱獲により砂漠と化したような白化しており、見るも無残な状況となっている。そのため、今回は中国政府が正式に回答せざるをえない状況となった。

中国の外務省の洪磊報道官は16日の定例会見において、この問題に関して「BBCの報道は偏っており誤解を招く恐れがあります。第一に中国政府は南シナ海の領有権を保持しており、これは密漁ではありません。また、中国政府は南シナ海の島々と珊瑚礁の生態系の保護に注意を払っており、科学的な検証と議論を実施したうえで、環境に配慮した政策を実施している。」と見解を述べている。

フィリピン政府とベトナム政府は共に、中長期的に自国の漁業を保護・継続する方針であることからも、生態系を破壊する漁業は行っていない。そのため、今回の珊瑚礁の密漁には大反対をしており、今後も両政府の争いは続きそうである。