アジア地域の海賊が増加-安保法案可決により自衛隊が積極的に派遣か

このページの所要時間: 125

アジア地域では、物流のハブであるシンガポールのマラッカ・シンガポール海峡地などを中心とした海賊行為が多発しており、アジア地域における8月の海賊行為が24件(うち2件は未遂)発生したことを、アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)は発表した。

ReCAAPとは、日本が主導の元にアジア地域の海賊問題に有効に対処するために設立された協定である。この協定に交渉参加国として参加している国はASEAN10か国(インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポール、タイ、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジア)に加えて日本、中国、韓国、インド、スリランカ、バングラデシュが参加しており、協定を締結している国は20か国となる。

このReCAAPの発表によると、7月の海賊行為は11件(うち2件は未遂)であったが、8月に入り24件にまで増加している。今年の1月から8月までの期間における発生件数は141件であり、同時期の2014年は130件、2013年は90件、2012年は81件、と年々増加の一途を辿っており早急な対処が必要となっている。また、対策が実施された直後は海賊行為の発生件数が減少するが、時間が経過するとともに発生件数が再び増加するという傾向もみられている。

日本政府は、海賊対処法(海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律)などの枠組みにより、日本国籍のタンカーおよび日本船員が乗船しているタンカーが襲撃された場合には、海上自衛隊が救出を行う事が以前から可能となっている。しかしながら、安保法案が正式に可決されたことにより、今まで以上に海上自衛隊の派遣が積極的に行われるとみられている。