日本はアセアン地域における食料安全保障を支援
日本はアセアン地域を含む東アジア地域における食料安全保障の強化を行い貧困による飢えを解消することなどを目的とした米の備蓄制度「アセアン+3緊急米備蓄(APTERR)」に参加しており、政府米などから一定量の支援を実施している。このAPTERRの第3回理事会がブルネイのバンダルスリブガワンにおいて4月22日・23日に開催され、日本からは農林水産省の農産部長を代表に、在ブルネイ大使館、ASEAN日本政府代表部から関係者が出席したことを外務省は発表した。
APTERRに加盟している国はアセアン10カ国(インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス)および中国、韓国、日本の合計13カ国であり、2012年7月に正式に協定が発効した枠組みである。この枠組みは2002年10月に開催されたASEAN+3農林大臣会合で、東アジア地域における緊急事態による飢えが発生した際の解決方法として米の備蓄制度を構築することが提案されており、この備蓄制度の試験運用が行われた後に、恒久的な枠組みとして発展させたのがAPTERRである。
今回の理事会では、寄託基金の運営内容、事務局の運営事項、2014年度の事業実施報告、2015年度の事業計画・予算計画について、議論および承認を実施した。また、フィリピンの台風ハイヤンに対する現物備蓄事業の実施報告があり、フィリピンの代表者からは日本の支援に対する謝意の表明が行われた。
日本政府は、今後もこの協定に基づく義務的拠出金・任意拠出金による現物備蓄事業や専門家の派遣などを実施し、日・ASEAN友好協力に関するビジョン・ステートメントに基づき、アセアンの食料安全・保障の強化に向けた取組を推進していくことを表明している。