アセアンにおける福島県産食品などの輸出規制の現状

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東京電力の福島原発の事故の影響により、事故の発生直後はアセアン地域を含む多数の国において輸出の制限が実施されていた。現在のアセアン地域における状況は、完全に解除されているマレーシア・ミャンマー・ベトナムなどがある一方で、厳格に規制が行われているシンガポール・ブルネイもあり、国毎に大きく異なる状況であった。

このブルネイでは、2月に福島県産以外の食品に関しては放射性物質検査証明を免除することを農林水産省および在ブルネイの日本大使館は発表しており、厳格な規制が緩和された。
アセアンの各国における現状(2015年3月3日時点)の概要は以下である。

【ブルネイ】
・福島県の食肉、水産物、牛乳・乳製品は輸出が禁止
・福島県の野菜・果実(生鮮・加工)、いも類、海藻、緑茶製品は放射性物質検査証明書が必要
・福島県産以外の全ての食品について、産地証明の提出が必要
・2015年2月までは、福島県以外の食品に関しては放射性物質検査証明が必要であり、福島県の食品の多数(野菜・果物など)が輸出禁止であった

【シンガポール】
・福島県内の一部地域(南相馬市など)からの輸出は禁止
・茨城県・栃木県・群馬県の水産物、林産物においては、放射性物質検査証明の提出
・その他の都道府県では、産地証明書などの提出が必要
・なお、シンガポール政府は自国内でもサンプル検査を実施しており、検査の結果で放射性物質が検出された場合には、輸出品は返送される

【フィリピン】
・福島県のヤマメ・コウナゴ・ウグイ・アユに関しては輸出禁止
・福島県の他の水産物および茨城県、栃木県、群馬県の水産物に関しては放射性物質検査報告書が必要
・福島県・茨城県の牛肉・野菜・果実・植物・種苗などに関しては、放射性物質検査報告書が必要

【タイ】
・福島県・宮城県・群馬県においては放射性物質検査報告書が必要(酒類・食品添加物などは対象外)
・その他の県に関しては産地証明書が必要
・2011年3月11日より前に加工された食品の場合に限っては、日付証明書のみで対応することも可能である

【インドネシア】
・品物により、放射性物質検査報告書もしくは政府作成の放射性物質検査証明書が必要
・これらの報告書・証明書が無い場合には、インドネシア政府による検査を実施

【マレーシア】
・現状では規制は完全に解除されている
・2013年2月末までは、福島県産に関しては産地証明書の提出およびマレーシア側での全ロット検査を実施
・ただし、今後の放射性物質検査の結果によっては、必要に応じて規制措置が講じられる可能性がある

【ミャンマー】
・現状では規制は完全に解除されている
・2011年6月16日までは、ミャンマー側(ヤンゴン港およびヤンゴン国際空港)にて検査を実施

【ベトナム】
・現状では規制は完全に解除されている
・2013年8月末までは、福島県・茨城県・栃木県産はベトナム側で全ロット検査を実施、3の県以外に関してはサンプル検査を実施(放射性物質検査報告書を提出していた場合には検査を省略)