中国はシルクロードファンドを設立しアセアンへの支配を強める

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中国の習近平国家主席は交通インフラの整備などの目的としたシルクロードファンドを、400億米ドルを出資し設立することを11月8日に発表した。このファンドが重点的に支援する対象国は、アセアンではラオス、カンボジア、ミャンマーであり、アセアン以外ではバングラデシュ、モンゴル、タジキスタン、パキスタンが対象である。中国と領有権争いをしているベトナムは含まれていない。

カンボジア外務省では11月8日に、このシルクロードファンドからの支援を受ける予定であることを発表している。この発表に先立ち、カンボジアのフン・セン首相は中国とのパートナーシップの強化を行うことを目的として、北京で中国の李源潮副主席と会談を行っていた。中国からカンボジアへ支援される金額は7億米ドルとみられており、支援方法などの詳細は今後決定される見込みである。

中国は北京で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の開催に合わせて、各国の支持を得るためにこの発表を行ったとみられる。このファンドでは鉄道および道路の構築を行うために、対象国では自国の建設業の成長に繋がり、更に中国企業からの投資も見込まれるため、各政府は歓迎している。