厚生省は日本の医療機関を受診する外国人患者の受入体制を整備

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日本の厚生労働省は、日本の医療機関を受診する外国人患者の受け入れ体制の整備などを行うことを目的として、「外国人患者受入に資する医療機関認証制度等推進事業」を実施することを発表した。

日本政府では、「明日の日本を支える観光ビジョン」において、2020年に4,000万人、2030年には6,000万人の訪日外国人旅行者数を目標としている。2018年の訪日外国人旅行者数は3,119万人となっており、今後も更なる訪日外国人の増加が見込まれている。

そのため、日本の医療機関を受診する外国人患者が増加することが想定されており、外国人患者が円滑に医療機関を受診するためには医療機関だけではなく地方自治体・観光事業者・宿泊事業者等が連携して、地域全体として外国人患者の受入体制を構築する必要がでてきていた。この状況の変化を受けて、「外国人患者受入れ医療機関認証制度(JMIP)」に基づき選出された医療機関に係る情報の周知や今後の選出の推進を含め、外国人患者の受入れ体制の整備に資する情報の発信を行うことを目的とした「外国人患者受入に資する医療機関認証制度等推進事業」の事業が実施されることが決定し、この事業を実施する事業者の募集が開始された。

公募要領によると、この事業では『ワークショップ・セミナー等の開催』『実態調査の実施』『外国人患者受入れ体制の整備に資する情報の発信』『報告書の提出』を実施することが要求されている。

『ワークショップ・セミナー等の開催』では、JMIP及び拠点的な医療機関に関する情報の周知や推進を行うため、ワークショップ・セミナーの開催等を行う必要がある。

『実態調査の実施』では、外国人患者の受入れ体制の整備に資する情報の発信を行うために必要な実態調査を実施する必要がある。実態調査は、JMIP及び拠点的な医療機関の周知や今後の選出の推進に係る課題を抽出し、それを医療機関の質の確保に繋げる内容とすることが望ましい。また、疫学者・医療経済学者等の専門家の協力がある事が望ましく、事前に厚生労働省と調査の目的・方法・収集データ項目・分析方法等を協議する。

『外国人患者受入れ体制の整備に資する情報の発信』では、医療機関の質の確保をはかる為に、JMIP認証制度やその他の取組みに関して必要な情報を提供する必要がある。情報発信の対象は日本の医療機関と外国人として、情報発信には医師・看護師・医療通訳者などの実務経験者の協力がある事が望ましいとしている。また、成果物がウェブサイト等の電子的な媒体の場合は翌年度以降に引き継げるように整備する必要がある。

『報告書の提出』では、事業における取組内容や成果を報告書(電子媒体でも可)としてまとめ、来年の3月31日までに厚生労働省に提出する必要がある。