ASEAN外相会談、南シナ海問題への対応は足並み揃わず

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ASEAN(東南アジア諸国連合)の外相が各種問題を協議する非公式の外相会談が6日に開催され、会談後は中国を名指ししなかったものの南シナ海における情勢を一部の外相が懸念を表明したとの旨の議長声明が発表された。

アセアン議長国であるシンガポールのビビアン・バラクリシュナン外相は、会談後に「南シナ海における行動規範の条文作成は、まだ論争は決着しておらず、今後の交渉は複雑に進む事になるでしょう。」との見解を述べた。シンガポールのウン・エンヘン国防相は、「ASEANとしては南シナ海における行動規範を作成する事を望んでいるが、年内の合意を期待するのは現実的ではないでしょう。」との見解を示している。

アセアン議長国であるシンガポールでは、今後は今回の議長声明を元として、他国と協力の元で行動規範の条文作成と4月に実施されるASEAN首脳会談の議題と声明文を作成していく事となる。しかしながら南シナ海問題に関しては、強硬的な姿勢を崩さないベトナム、強硬的な姿勢を崩しつつあるフィリピン、オランダ・ハーグの仲裁裁判所の判決に従うように要求しているインドネシア・シンガポール、中立を保ち続けるマレーシア・ブルネイ・ミャンマー・タイ、中国に配慮し続けるラオス・カンボジア、とASEAN内部においても大きく対応が異なり1枚岩ではない。そのため、南シナ海問題を解決するには、まだまだ時間がかかる見込みである。