日本はパラオに無償資金協力、太平洋の安全保障の観点からも
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日本の外務省は、パラオにおける持続可能なインフラ整備等の促進を通じて現地の経済活動や住民生活を支援するために、2億円の無償資金協力を実施する事を発表した。
フィリピンの東でインドネシアの北に位置するパラオ共和国では、人口が約2万人で地理的にも他国と離れていることから、生活に必要となる物資の多くを他国からの輸入に依存しており、国民所得の大半が海外に流出している状況となっていた。日本政府では、昨年の6月に開催した『第7回太平洋・島サミット』において、太平洋島嶼国・地域が直面する様々な問題に対して積極的に支援を実施し、日本と太平洋島嶼国の関係を深化させていく方針である事を表明していた。そのため日本政府は、パラオに対して無償資金協力を実施する事を決定した。
この支援は無償資金協力「経済社会開発計画」として2億円が供与される。この無償資金協力に関する書簡の交換は、パラオの首都コロールで在パラオ日本大使とファウスティナ・K・ルウール・マルグ国務大臣との間で実施された。
南シナ海における海洋進出を進める中国政府は、パラオとの交流を強化させており、中国人観光客も急増している。この状況を受けて、日本政府は安全保障の観点からもパラオとの交流を深化させる方針をとっている。また、民間事業者レベルの交流では、双日と日本空港ビルデングがパラオ国際空港の運営事業に参画する事を今年の8月に発表している。アメリカ軍も、南太平洋の平和を維持するために、パラオに監視レーダーを設置する方針である事を発表している。