バングラデシュへの支援が本格的に再開

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独立行政法人の国際協力機構(JICA)は、バングラデシュにおける電力インフラ整備や交通インフラ整備を支援するため、過去最大規模となる合計6件の総額約1780億円となる円借款事業を実施する事を発表した。

バングラデシュでは1991年に総選挙が実施され民主化が行われたために、日本政府は経済・社会発展のための支援を積極的に実施していた。経済成長を背景として人口も堅実に増加しており、世界8位の約1億6000万人にまで増加していた。この人口増加により、国内消費市場も伸びているため、日本企業の進出も進みつつあった。しかしながら、昨年の7月1日に首都ダッカで日本人を含む人質20人が死亡する飲食店襲撃テロが発生していた。

日本政府は、テロ発生後は安全を第一としていたため、バングラデシュにおける支援活動が停滞しつつあった。しかしながら、中国政府などではテロ発生後も支援活動を緩める事はなく、各種インフラ整備の案件を獲得するために精力的な活動を進めていた。日本政府でも、国際協力事業に関与する人達の安全を確保するための検討会議「国際協力事業安全対策会議」などを実施しており、これらの会議を実施した事により一定の安全対策がとれたと判断したことから、バングラデシュにおける本格的な支援が開始される事となった。

【円借款事業の一覧】
・ハズラット・シャージャラール国際空港拡張事業(第一期)
金額:768億2,500万円
・カチプール・メグナ・グムティ第2橋建設及び既存橋改修事業(II)
金額:527億3,000万円
・ダッカ都市交通整備事業(1号線)
金額:55億9,300万円
・マタバリ超々臨界圧石炭火力発電事業(III)
金額:107億4,500万円
・ダッカ地下変電所建設事業
金額:204億7,700万円
・小規模水資源開発事業(フェーズ2)
金額:118億5,300万円