独立行政法人の国際協力機構(JICA)は、ASEAN地域における公正かつ安全なサイバー空間の構築に向けて、タイ政府との間で、日ASEAN能力向上プログラム強化プロジェクトに関する討議議事録に署名した。
JICAの見解によると、ASEAN 地域諸国においてもサイバーセキュリティ確保は重要な課題となっており、「ASEAN デジタルマスタープラン 2025」においては、消費者が利用するサービスが安全であることを同マスタープランのビジョン達成のための前提条件となっていた。デジタル化の進展に伴いサイバーセキュリティのリスクが甚大化する中、日本はASEAN事務局及びタイ政府と協力し、2018年からサイバーセキュリティ能力構築センター(AJCCBC)を通じて、ASEAN全体のサイバーセキュリティ人材を育成してきた。
今回は、さらなる協力を進めるため、バンコクにおいて、タイ王国政府との間で、技術協力プロジェクト「サイバーセキュリティとデジタルトラストサービスに関する日ASEAN能力向上プログラム強化プロジェクト」に関する討議議事録に署名することとなった。実施予定期間は、48ヵ月となる。実施機関は、タイ王国の国家サイバーセキュリティ局となる。対象地域は、ASEAN共同体加盟国となる。
今回実施される案件は、ASEAN事務局との技術協力協定のもとで行う技術協力プロジェクトの第一号となる。AJCCBCにおけるサイバーセキュリティトレーニング及び若年層向けサイバーセキュリティ人材開発プログラムの拡大、第三者機関協力によるセミナー等の開催と共に、同機関の情報収集・分析能力の強化をもって、ASEAN地域のサイバーセキュリティ対応能力の強化を図る予定である。
日本側が投入(インプット)するのは『専門家派遣』『研修員受け入れ:第三国研修』『機材供与:研修環境用サーバー、PC、各種ソフトウェア等』となる。タイ側が投入(インプット)するのは『カウンターパートとサポートチームの配置』『施設管理、維持管理経費』『案件実施のためのサービス、現地経費の提供』となる。日本側の総事業費は5億円となる。
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