日本政府は、マレーシアにおける洪水被害に対し、JICA(国際協力機構)を通じて浄水器や発電機などの1,900万円相当の物資を供与することを1月1日に決定していたが、マレーシア政府から追加援助の要請が行われたため、テントなどの物資(1,000万円相当)を追加で供与することを1月16日に決定した。この洪水への支援は、日本政府だけが実施しているわけではなく、中国・アメリカ・シンガポールなども実施している。
マレーシア防衛省の発表によると、中国政府は被災者のために1,600台程度のテントの寄付を実施し、アメリカ政府は病院で使用するための薬剤を寄付し、シンガポール政府は被災地の水インフラを整備するために浄化装置の寄付を実施している。
マレーシア保健省の発表によると、各国からの物資支援などにより、洪水発生直後に比べると被災地の状況は安定してきているが、クランタン州、パハン州、ペラ州とジョホールなどの地域においては、洪水の状況を監視し続けている。これらの地域の農村部では、トイレの設置および清潔な水の供給を優先的に実施することにより、水インフラの整備を最優先としている。また、仮設テントを設置し簡易な診察を実施することにより、被災地における伝染病の拡大を防いでいる。被災者の心理的負担を取り除くためのサポートも実施している。
保健省ではこれらの対策を実施しているが、レプトスピラ症および類鼻疽(るいびそ)などの伝染病が、被災地で蔓延する可能性があるとして監視を強化している。被災地から伝染病が他の地域に拡散することを防ぐために、現地で作業に携わったボランティアや非政府組織に所属した人に対しても、最低でも30日間は自分自身の健康を厳格に管理し、これらの伝染病に感染した疑いがある場合には、早急に医療機関にて診察・治療を受けるように要望している。
マレーシアでは、この洪水の発生中にマレーシアのナジブ(Najib)首相がアメリカのオバマ大統領とゴルフを実施していたために被害者の救助・支援が遅れたという批判が続出している。この批判をかわすためにもナジブ首相は、洪水被害対策および伝染病拡散防止に積極的に取り組んでおり、現時点では伝染病の拡散は防げている状況である。
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