カンボジアを始めとする発展途上国では、交通インフラが整っていないこともあり、交通事故が多発している。カンボジアでも死亡事故は年々増加しており、2014年の死者は1,901人であり、人口当たりの発生件数で比較した場合は日本国内よりも高いため、カンボジアに訪問する際には交通事故に気をつける必要があることを、在カンボジアの日本国大使館は発表した。
この発表によると、日本国内での交通事故による死者の数は4,113とカンボジアに比べて低いが、人口当たりの交通事故死者で比較した場合は、日本は30,856人に1人であるのに対して、カンボジアでは6,844人に1人と、カンボジアの死亡事故発生率は日本の4.51倍と非常に高い状況である。
2014年のカンボジアにおいて交通事故による死者が多く発生した地域は、プノンペン都の241人が最も多い地域であった。その他の地域では、カンダル州の166人、コンポンチャム州の165人、バンティアイミエンチャイ州の129人、プレイベン州の127人であった。
この事故が多発している主な原因は、無謀運転、不注意運転、スピード違反、飲酒運転、無免許による未熟運転などであると現地の警察は分析している。死亡事故の90%以上がオートバイ乗車時の事故であり、死因の大多数がヘルメット未装着による脳挫傷である。また、交通事故の加害者側のほとんどが交通事故保険に加入していないため、事故発生時における相手方への補償が期待出来ない状況である。
カンボジア政府もこの現状を改善させるため、2015年1月に改正道路交通法を施行し、罰則を強化している。在カンボジアの日本国大使館は、カンボジアは日本に比べて、交通法規に対する遵法意識が低い事からも、カンボジアに渡航・滞在する際には、交通事故にあわないように、以下の点などに注意することを呼び掛けている。
【歩行時】
・出来る限り歩道を歩き、幼児や子供が一緒の場合は手を繋ぐ。
・道路を横断する際は、信号機のある場所を横断する。信号機のない場所を横断する時は、車両が無いのを確認してから横断する。
【車両乗降車時】
・車両乗車時には、必ずシートベルトを着装すること。
・モトドップ(オートバイタクシー)は、事故が発生した場合に大怪我に繋がる可能性が高いために、利用しないこと。
・車両乗車時は、歩道側(右側)から乗降車し、後方からオートバイが来ないのを確認したのちにドアを開けること。子供を車両から乗降車させる際は、ドアの開閉は大人が必ず行うこと。
【車両運転時】
・車を運転する際はシートベルトを必ず装着すること。オートバイを運転する時は必ずヘルメットを着装すること。
・有効な運転免許証を常時携帯すること。
・スピードを出しすぎずに、現地の交通法規を遵守すること。
・夜間の運転は控えること。
・飲酒運転は絶対にしないこと。
・日頃から乗車する車両の手入れを怠らないこと。
・事故にあった場合は、早急に保険会社または警察に通報すること。
【カンボジアにおける交通事故の推移】
年:交通事故発生件数:交通事故死者数
2014年:4,840件:2,148人
2013年:4,322件:1,901人
2012年:4,305件:1,894人
2011年:5,096件:1,893人
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