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カンボジアでは労働者の半数近くは農産業に関連する職業に従事しており、以前は生産効率が悪かったために十分な収入が得られていなかったが、近年は海外からの支援などにより大幅に労働環境の改善および所得の向上が行われ、カンボジアの農産業は順調に成長している。しかしながら、この成長が順調に継続する確証はなく、リスクを孕んでいることを世界銀行は発表した。

この世界銀行の発表によると、カンボジアの農産業は、海外からの技術支援および栽培面積の拡大などにより収穫量が増加し、これらの作物を海外へ輸出することにより、労働者達の生活環境は大幅に改善された。カンボジアの人件費が隣国のタイやベトナムに比べて低いこともあり、国際競争においてはカンボジアの農産業は価格の面で有利であった。そのため、農産業に従事する労働者達の貧困率は2007年には50%であったが、2012年には18%まで減少している。

しかしながら、工業産業・衣料品産業などに他の産業おいても経済成長しているため、それらの産業に労働者が流れることにより、農産業に携わる人々が減少しはじめている。また、農産業に従事する人の給与も上昇しているため、以前と比べて国際競争力が減少しはじめている。さらに、世界的に農作物の価格が下落傾向であるため、農作物の輸出で得られる利益が減少する可能性もある。これらの問題を解決し、農産業の継続的な成長を行うには、新しい施策が必要となっている状況である。

世界銀行が現状で挙げている対策として、栽培する作物を単価が高い作物に変更する、交通インフラを整備することにより作物の輸送コストを減少させる、天候に左右されない仕組みを構築するなどがある。カンボジア全体の経済成長および貧困削減には農産業の成長が欠かせないため、世界銀行は今後もカンボジアの農産業への支援を継続していく見込みである。

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