アセアン関連首脳会議に参加するためにマレーシアのクアラルンプールに訪問していた安倍総理大臣は、ベトナム社会主義共和国のグエン・タン・ズン首相と日本・ベトナム首脳会談を実施したことを日本の外務省は発表した。
この首脳会談で両者は、現在の「広範な戦略的パートナーシップ」に基づく二国間関係は更に強まっている認識を共有し、この関係を更に強化していく事で合意した。個別の議題として「安全保障」「日越大学設立」「政府開発援助(ODA)」などについて話し合われた。
安全保障に関しては、安倍総理からズン首相に日本政府の「積極的平和主義」の取り組みついて説明が行われ、ズン首相からはこれらの取り組みについて支持する旨が述べられた。また、日本政府からベトナム政府に供与される予定であった6隻の中古船の引き渡しが間もなく完了することについて、ズン首相から感謝の意が伝えられた。ズン首相からは、この中古船の供与はベトナムの海上法執行能力の向上に繋がることが説明された。
日越大学の設立に関しては、安倍総理からズン首相に来年9月の修士課程開講に向けた準備を実施していることと、学部設立に向けた事前調査を開始した事が伝えられ、ズン首相に更なる協力を要請した。ズン首相は、学長の早期任命や運営体制の構築などの面で引き続き協力していく旨が伝えられた。この大学は、ベトナムの次世代を担う人材育成およびベトナムに進出する日系企業へ人材を提供することなどを目的として、両国政府の協力の下で開校する予定の大学である。
政府開発援助(ODA)に関しては、安倍総理からズン首相に合計約1,700億円となる円借款案件3件を実施することが説明され、今年に決定したODAは約3,000億円となることが説明された。ズン首相は、これらの支援に感謝するとともに、日本のODAを効果的に使用していく旨が説明された。また、日本の支援により建設されたベトナムの各種インフラを通して、ベトナムの国民は日本に良い印象を持っている旨が述べられた。
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