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ベトナムを統治しているベトナム共産党は、今月末に開催される党大会において、実質的な最高責任者であるグエン・フー・チョン党書記長を留任させ、2番目の責任者である国家主席と、3番目の首相を交代させる方針で調整を進めていることを、複数の現地メディアが報じた。

ベトナムはベトナム共産党による一党独裁体制のため、国の要職は党大会において決定している。現在の要職は、2011年1月に開催した第11回党大会において決定していたため、5年の任期を迎える今年に要職の見直しが行われることとなった。

ベトナム共産党内およびベトナム国民からは、中国との南シナ海における争いにおいてはもっと積極的な行動に出るべき、国の更なる経済発展を行うためには非効率的な国営企業の体質を改める必要があるなどの多数の改善を求める声が挙がっていた。また要職に就く人達が高齢となりつつあったことからも、若い新しい風を吹き込む必要があるとして、要職の見直しが行われることとなった。

今回の人事異動では、最高責任者であるグエン・フー・チョン党書記長はそのままとなったが、党内および国の序列の2番目となるチュオン・タン・サン(Truong Tan Sang)国家主席、3番目となるグエン・タン・ズン首相(Nguyen Tan Dung)は、それぞれ退任となる方向で調整が進んでいる。国家主席と首相はともに66歳を迎えていた。新しい国家主席には現在の公安大臣であるチャン・ダイ・クアン(Tran Dai Quang)、首相には現在の副首相であるグエン・スアン・フック(Nguyen Xuan Phuc)が就任する見込みであるが、まだ正式な決定はされていない状況である。

今回の人事には驚きの声が挙がっている。特に、グエン・タン・ズン首相が最高責任者の党書記長に就任するとの見方も強かったが、南シナ海問題などで中国を抑えきれなかったことや、一部の議員からは首相は親中であると言われていたことも影響されたとみられている。

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