中国の雲南省玉渓において中国・ASEAN外相会合が14日に開催されたが、中国政府の予測と異なり、南シナ海問題においてはASEANが反中国で結束することとなった。
中国政府では13日の定例記者会見などの際に、「中国政府はASEANと友好関係を維持しており、開催される中国・ASEAN外相会合では、南シナ海問題においては中国支持の声明などが発表出来る見込みである。」との見解を示していた。
会合に参加した通信社によると、開催された中国・アセアン外相会合では、中国政府は当初の予定通りに経済協力を軸とした協力をASEAN各国に提示する代わりに南シナ海問題で中国政府を支持するよう要求した。しかしながら、従来は中立の立場を表明していたインドネシア政府やシンガポール政府が、中国政府の想定を裏切り要求に応じなかった。
フィリピン政府が南シナ海問題をオランダのハーグ常設仲裁裁判所に提訴した事の結果が、近く提示される見込みであるため、インドネシア政府とシンガポール政府が、この提示を尊重するように要求した。特にシンガポール政府は独自の見解として、南シナ海問題では特に深刻な懸念が発生しておりシンガポール政府は公正で公平な立場を貫く、と暗に中国政府を批判する見解を表明した。
インドネシア政府やシンガポール政府などからは、アセアン統一の意思として南シナ海問題での中国の海洋進出を批判する声明を発表する提案も行われた。しかし親中派であるラオス政府やカンボジア政府などが、これらの政府の見解には同調するが声明を発表する事により事態が急変する恐れがあるとして、声明発表には反対したために、統一された反中の声明が発表される事は叶わなかった。
中国政府としては中国・ASEAN外相会合において、南シナ海問題で中国政府の立場を支持する声明を発表する予定であったが、予想に反してASEAN全体が反中の立場をとる事となった。
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