日本の環境省は、ベトナムにおける二国間クレジット制度(JCM)のクレジットを発行することを発表した。
日本政府では、途上国への温室効果ガス削減技術・製品・システムなどの普及や対策を通じて、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価するとともに、日本の削減目標の達成に活用する「二国間クレジット制度(JCM)」を、JCMのパートナー国と実施している。JCMのパートナー国は、ASEANのベトナム、カンボジア、ラオス、インドネシア、ミャンマー、タイ、フィリピンと、その他の地域のモンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、コスタリカ、パラオ、メキシコ、サウジアラビア、チリの17か国となる。
今回は、日本とベトナムの間で実施される二国間クレジット制度の下で、2件のプロジェクトからのクレジット発行が決定された。
「南部・中部地域の配電網におけるアモルファス高効率変圧器の導入」では、発行が決定されたクレジット量が2,477tCO2となり、このうち日本政府の獲得分は1,239 tCO2となる。このプロジェクトは、ベトナム南部・中部地域の配電網に一般的なケイ素鋼変圧器に替えて、高効率なアモルファス変圧器を導入することにより、配電に係る電力ロスを低減するとともに、発電由来のCO2を削減するものである。当該変圧器は南部配電網へ2,683台、ホーチミン市配電網へ892台、中部配電網へ977台、ダナン市配電網へ282台の、合計4,834台が導入される。ベトナム変圧器メーカーのTHIBIDIが当該変圧器を製造するが、変圧器のコア部分のアモルファス合金は、全て島根県にある日立金属の安来工場で製造・供給される。
「レンズ工場における省エネ型空調設備の導入」では、発行が決定されたクレジット量が28tCO2となり、このうち日本政府の獲得分は14tCO2となる。このプロジェクトでは、ハノイ市東部にある一眼レフカメラ等の交換レンズ工場における空調設備を、高効率かつ低消費電力の機器に更新するものである。省エネルギーによる温室効果ガスの排出削減及びオペレーションコスト削減を図り、既存工場の省エネ型工場への転換を行う。
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